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事例紹介

日清食品ホールディングス・グローバル食品安全研究所の活動

日清食品ホールディングスが日清食品グループ全体における製品の品質を保証するため、2002年に設立したのが食品安全研究所 (現グローバル食品安全研究所) です。この研究所では新しい分析システムの開発、原料素材から加工、製品生産にいたる各段階の品質調査、製品の品質保証などを行っています。また、食品企業としては数少ない国際規格「ISO/IEC17025」(試験所および校正機関の能力に関する一般要求事項) の認定を取得。世界標準の分析能力と独自に開発した各種の分析システムなど、品質確保のための高度な技術を製品づくりに生かしています。

多様な分析システムによる品質保証

残留農薬・動物用医薬品の検査

原材料に含まれる可能性がある残留農薬、動物用医薬品の検査を行い、製品中への危険物質の混入を未然に防いでいます。独自に開発した最新の分析システム NASRAD-700 (Nissin’s Analytical System for Residual Agricultural Chemicals and Veterinary Drugs) は、545種類の残留農薬と188種類の動物用医薬品を一斉かつ迅速に分析することができます。また、残留農薬自動前処理装置FASRAC (Food Automatic Analytical Systems for Residual Agricultural Chemicals) を活用することで、検査能力や精度が飛躍的に向上しました。

食物アレルギーの検査

食物アレルギー発症の原因になる「特定原材料」7品目の公定検査だけでなく、「特定原材料に準ずるもの」16品目についても遺伝情報に基づいた検査法を開発し、検査しています。この検査法は、16品目の特徴的なDNA配列を増幅させて検出し、食品中にその食物が含まれているか否かを判定するものです。

発がん性物質の検査

食品に含まれる発がん性物質を検査する新しい分析システムを独自に開発しています。ヒト細胞変異原性試験法NESMAGET (Nissin's Evaluation Systems for Mammalian GenoToxicity) は、2003年に開発したDNA修復遺伝子 (p53R2) の発現の仕組みを応用した検査法です。さらに2008年には、発がん作用を促進する物質「発がんプロモーター」に特有の変動を示す遺伝子群を発見。この遺伝子群の発現量の増加を指標として、短期間で簡便に検査できる発がんプロモーター短期検出法NESTUP (Nissin's Evaluation System for Tumor-promoting Activity) を開発。発がん作用を促進する物質を、短期間で簡便に、かつ低コストで検査することができます。

食中毒菌群の検査

遺伝子情報に基づき、細菌群を迅速に検査できる3種類の検査法 (特定細菌群迅速一斉検査法、酢酸耐性乳酸菌群検出法、嘔吐型セレウス菌検査法) を用い、食中毒菌の検査をしています

放射性物質の検査体制

放射性核種であるセシウム134、セシウム137の弁別分析が可能な高精度のゲルマニウム半導体検出器式ガンマ線スペクトロメーターを導入し、日清食品グループの生産工場と協力工場における水 (水道水および地下水) や製品を定期的に検査しています。2012年4月に厳格化された国の放射性物質の新基準値にも対応しています。

重金属の一斉分析

途上国では急速な工業化に伴い、十分処理されていない排水などによる河川や土壌の重金属などによる汚染が懸念されています。そこで、ICP-AES (誘導結合プラズマ発光分析装置) およびICP-MS (結合誘導プラズマ発光質量分析装置) による重金属の一斉分析に取り組んでいます。

放射線照射の確認検査

殺菌を目的とした食品への放射線照射は、日本国内では認められていません (※じゃがいもの芽止めを除く)。そのため、PSL (光ルミネッセンス) 法や、TL (熱ルミネッセンス) 法による放射線照射の確認検査に取り組んでいます。


国内外の品質調査活動

グローバル食品安全研究所では、原料素材から加工、製品生産の各段階で品質確保の処置が適切に取られるように、次のような調査活動を行っています。また各段階で不具合が見つかった場合には、是正を促す提案を行っています。

1.原材料の品質調査

農場、畜産場や漁場の調査や食品工場への立ち入り調査を含め、原材料の生産から加工までに関わる品質調査を実施しています。

2.新NIFOSに基づく製造工場への立ち入り検査

新NISFOS (日清食品グループ食品安全監査基準) に基づき、消費者の目線から製品の安全性を「食品安全管理」「有害生物対策」「製造規範」「メンテナンス」「清掃活動」の5つのカテゴリーに分け、数値化することで評価しています。

3.中国の製造工場における品質工程管理

グローバル食品安全研究所のスタッフが工程管理者として日清 (上海) 食品安全研究開発有限公司に常駐し、日清食品グループと関連のある中国各地の食品工場を定期的に訪問することで、使用される原材料や製造工程などを管理しています。


独自の品質管理体制

各工場とグローバル食品安全研究所がそれぞれ品質管理検査を行う「二重管理」、各工場における製品の品質検査と分析検査の能力を一定水準以上に保つための「品質検査技量管理」という独自の品質管理体制で、製品の徹底した品質保証を実現しています。

二重管理

研究所では、各工場で生産される製品について、各工場内で行っている品質管理検査とは別に、独自の視点で分析を実施。各工場と当研究所で二重の品質管理を行っています。

品質検査技量管理

微生物および食品分析検査について独自の外部精度管理手法 (SARMAPS/SARFAPS) を開発し、グループ各社だけでなく協力会社でも試験を実施しています。研究所で調製した微生物および食品試料を各工場に配布。工場で品質管理担当者が検査を実施し、その結果を研究所に報告します。研究所では統計解析による判定を行い、不合格者に対しては合格するまで徹底した指導を行うとともに、不合格の原因となった問題点を工場間で共有し、検査技量の向上に努めています。

  • SARMAPS (Food Safety Research Institute’s Microbiological Analysis Proficiency System)
    食品安全研究所 微生物検査技能評価システム
    ※ 精度管理に用いるのが難しい微生物を対象にした画期的なシステムで特許を出願中。
  • SARFAPS (Food Safety Research Institute’s Food Analysis Proficiency System)
    食品安全研究所 食品分析技能評価システム

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