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インスタントラーメンに関するコラム

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第9回
世界ラーメンサミット 2018

日時:2018年8月22日(水)~8月23日(木)

開催地:大阪(日本)

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    内容
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    ギャラリー

概要

日時

2018年8月22日(水)~8月23日(木)

会場

帝国ホテル大阪

ホスト
カンパニー

日清食品ホールディングス株式会社

テーマ

INNOVATING HAPPINESS FOR 100 YEARS

2018年8月22日(水)、23日(木)において、インスタントラーメン発祥の地である大阪で第9回世界ラーメンサミット大阪が開催されました。発明60周年にあたる今回は、16カ国/地域のインスタントラーメンメーカーや業界関係者などWINA会員企業70社含む208名が参加。
インスタントラーメンの更なる総需要の拡大はもちろん、誕生から100年目を迎える40年後も「人々にHappyをもたらす食事」であるために、どうイノベーションを起こすかを議論しました。

プログラム

1日目

理事会

総会

マーケットレポート
ウェルカムディナー

2日目

フォーラム

来賓挨拶
衆議院議員 自民党政調会長 岸田 文雄

【フォーラム①】 
「インスタントラーメンの未来」
世界ラーメン協会 
会長、日清食品ホールディングス株式会社 
代表取締役社長・CEO 安藤 宏基

【フォーラム②】 
「世界の歴史におけるインスタントラーメンの役割」
パシフィック大学(米・加州) 歴史学科教授 
Prof. Ken Albala

【フォーラム③】 
「新しい時代の新しい文化」
MIT メディアラボ所長、
MIT Media Arts and Sciences教授 
Prof. Joi Ito (伊藤 穰一)

【フォーラム④】 
伊藤 穰一教授 x 学生オープンディスカッション

次期ホスト発表(インドフード社)

大阪宣言

共同記者会見

開催報告

理事会

世界の主要13社のトップ及び特別会員2団体の代表が一同に会する理事会では、開発5原則に新たに栄養と環境保全の2原則の追加、食の安全・安心部会、CVS/SDGs部会、緊急食糧支援部会の新設等を決定しました。また、大阪宣言に盛り込む内容の議論など、今後のWINA活動強化への取り組みについて活発な意見交換が交わされました。

総会

総会からは正会員も加わり、120名余りが出席しました。WINA安藤宏基会長より、今年は安藤百福氏が1958年に大阪でインスタントラーメンを発明後、60周年という記念すべき年であり、年間総需要1千億食規模まで大きく成長した世界インスタントラーメン業界は、積極的なイノベーションと最新のマーケティングを活かし、人類に「百年幸福」をもたらす食事となることを目指す、と挨拶がありました。総会では世界11の国/地域の代表者によって、それぞれのインスタントラーメン市場の最新状況や課題についての報告が行われました。

フォーラム

フォーラムには、WINA会員各社に加え、賛助会員や招待客ら200名余りが参加。岸田文雄衆議院議員 自民党政調会長が来賓代表として開会の辞を述べられました。WINA安藤宏基会長から、世界人口100億人の時代となる将来を見据え、インスタントラーメンはどうあるべきかについて講演されました。その後、アメリカ・パシフィック大学のケン・アルバラ教授、アメリカMITメディアラボ所長伊藤穰一教授、といった世界的な論客が登壇。インスタントラーメンを含めた加工食品の歴史や、インスタントラーメン業界がIT時代の中で発展すべき方向性について、講演されました。また、伊藤穰一教授と学生16名によるオープンディスカッションも活発な雰囲気の中、実施されました。全てのセッションを通じ、多くの出席者が熱心に耳を傾けられ、質疑応答も活発に行われました。

大阪宣言

地球は近い将来、人口100億人時代を迎えようとしていますが、消費者意識と社会環境の変化に伴い、これまでのインスタントラーメン開発5原則に「栄養」、「環境保全」の2つの要素を新たな原則として加えることとします。インスタントラーメンは人々の心も体も温める「Instant Hot Meal」であるという価値を最大限に活かし、人にも地球環境にも最も優しく、安全・安心に美味しく食べられる食事として存続するために努力を続け、人類の食文化に貢献することを宣言し、サミットは閉幕しました。

合同記者会見

本サミットは各種メディア関係者からの注目度も高く、日本を代表する全国紙や通信社の記者、テレビ局のレポーターが数多く集まり、活発な質疑応答や取材が行なわれました。

※肩書は当時のものです

大阪宣言

インスタントヌードルが誕生してから60年。多くの国が経済発展し、社会や暮らしは豊かになりました。
そしていま、世界は驚くべきスピードで変化しています。
今回のサミットでは、インスタントヌードルの更なる需要の拡大はもちろん、
誕生から100年目を迎える40年後「人々にHappyをもたらす食事」であるために、
どのような存在であるべきかを議論しました。
60年前のイノベーションだったインスタントヌードルの開発当時、
安藤百福は①美味しい ②安全・安心 ③簡便 ④長期保存 ⑤安価という開発5原則を掲げました。
この開発5原則を有する食べ物であるからこそ、インスタントヌードルは誕生から何十年も経ち社会や価値観が大きく変化しても
世界中で変わらず愛され続けているのです。

インターネットの普及は世界中の様々な場所からのイノベーション創出を可能にしました。
また、国や人種を超えて文化や価値観を共有できる環境をつくり出しています。
一方で、文明により豊かになった世界の中で、消費者の食品選択の基準が変化しつつあります。
人々は今、環境・社会問題に配慮された商品であるか、どのような姿勢で取り組んでいる企業であるかを意識したエシカル消費に急速にシフトしています。
そのような背景の中で、企業側にとってはCSV(Creating Shared Value)の概念が一層重要となります。

地球は近い未来、100億人時代を迎えます。人口増加による温室効果ガスの増加、地球温暖化は更なるスピードで進行し、
食の消費構造は大きく変化していきます。温室効果ガスの大半を占めるCO2問題は、
我々メーカーが非競争領域として取り組まなければならない緊急課題です。
本サミットを通して、われわれは改めて、インスタントヌードルはライフサイクルアセスメントにおいてCO2排出量の極めて少ない商品であり、
十分な栄養素とカロリーを兼ね備えていることを確認しました。従来の優位性に加えて、更なる環境負荷削減のためには業界全体で
プラスチック素材を生分解素材に置き換えていく努力を始めなければなりません。これは我々が強い意志をもって取り組んでゆく課題です。
このような消費者意識、社会環境の変化に伴い、インスタントヌードルの開発5原則に「栄養(Nutritious)」「環境保全(Eco-Sustainable)」という
2つの要素を原則として新たに加えることとします。インスタントヌードルが、未来の人類のHappyに貢献できる存在になるために、人々の健康、
地球環境に配慮した商品であることは、もはやメーカーの義務といっても過言ではありません。

インスタントヌードルは人々の心も体も温める食事「Instant Hot Meal」であるという最大にして不変的な価値を有しています。
あらゆる環境下において最後まで必要とされるものであり、プロダクトライフサイクルが100年を迎えた際にも、
時代に淘汰されることなく消費者に支持され続けているものと確信しています。

安藤百福が発明したインスタントヌードルは、現在1,000億食を超える需要を生み、国境を越え、1つの食文化になりました。
発明当時より「食足世平(食が足りて初めて、世の中が平和になる)」を唱えていましたが、「食は人間の命を支える一番大切なもの」であり、
その考えはどれだけ世界が変化しようとも変わらないものです。

今後、消費者の多様化する需要に対し、AI・ロボティクス・IOTといった新しい技術ノウハウを取り入れることで多品種少量生産を可能にする時代が到来します。
インスタントヌードルは環境にも配慮され、全ての人々の要望を満たすためにパーソナライズされた食事として、最も期待できるポジションになります。

インスタントヌードルが人々に「百年幸福」をもたらす食事であるために、我々は積極的なイノベーションと最新のマーケティングを駆使し、
新たな需要を生み出し続けます。
インスタントヌードルはまだまだたくさんの可能性を秘めています。発明から60周年を迎えるこの年に、
我々はインスタントヌードルとしての新たなスタートを踏み出すのです。
地球環境に最も優しく、安全であり安心して美味しく食べられる食事として存在し続けるため、我々はその努力を続け、
世界の全ての人々の食文化に貢献する事を、発明の地、大阪で宣言します。

フォーラム内容

フォーラム①

インスタントラーメンの未来

安藤 宏基氏

WINA会長
日清食品ホールディングス株式会社
代表取締役社長・CEO

消費者意識・環境変化に伴い、開発5原則に栄養と環境保全の追加を発表。インスタントラーメンは「Instant Hot Meal」という不変的な価値を有する。時代に伴い不断のマーケティングとイノベーションを起こし、40年後で100年目を迎え、世界人口100億人の際にも時代に淘汰されることなく消費者に支持され続けているものと語る。

フォーラム②

世界の歴史におけるインスタントラーメンの役割

ケン・アルバラ氏

パシフィック大学(米・加州)
歴史学科教授

小麦、特に麺類に焦点をあて、この加工技術について詳しく説明。小麦製品の最も早い時期の利用から20世紀半ばのインスタントラーメンの発明に至る軌跡をたどる。人間は、食糧を増やし、加工し、貯蔵し、調理し、消費したりしているかどうかにかかわらず、労働を最小限に抑えながらカロリーと栄養は最大限にしようと常に努力してきた。私たちはいつも穀物の消費をより効率的かつ簡便に行えるよう努力してきたが、その一つの偉大な解決策は現代生活のペースに完全にマッチするインスタントラーメンと考えられる。

※略歴
アルバラ氏はイェール大学で歴史学修士号、コロンビア大学で歴史学博士号を取得。現在、パシフィック大学教授として近代ヨーロッパの歴史と並んで食の歴史に関する授業や、食に関する著作活動を精力的に行っている。

フォーラム③

新しい時代の新しい文化

伊藤 穰一氏

米国MITメディアラボ所長
MIT Media Arts and Sciences教授

伊藤氏が、インターネットの誕生とイノベーション、インターネット成功の鍵、食に対するベンチャーの誕生、イノベーションのあり方、若者の変化等を語る。インスタントラーメンはインターネットの燃料であり、人は食べないとインターネットを動かせない、ハッキングできない。インスタントラーメンがあれば、インターネットが動くのである。世界で使われている「ラーメン・ヌードル・プロフィタビリティ」という言葉がある。インターネットのスタートアップを創る時にあまりお金を使ってはいけない、カップラーメン代ぐらい払えればいいという意味で、簡単にベースラインに到達しようじゃないかと言っている。インスタントラーメンはインターネット時代にキーである。

※略歴
伊藤氏は社会改革を目指す活動家であり、起業家、ベンチャーキャピタリスト。発展途上国の民主主義やプライバシー、インターネットの自由の支持者。科学技術に対する根本的で新しいアプローチがどのように社会を実質的かつ肯定的に変革できるかを探求している。2013年にニューヨーク市のThe New Schoolから名誉博士号、2015年にはTufts Universityの名誉博士号を授与された。米国芸術科学アカデミー2017クラスのメンバーであり、ハーバード大学法学部の客員教授でもある。

フォーラム④

オープンディスカッション

伊藤 穰一氏×学生

現役の大学生とイノベーションやインスタントラーメンの将来について、活発な討議が実施された。

※肩書は当時のものです