WINA食品安全会議
2015
日時:2015年11月24日(火)~11月25日(水)
開催地:横浜(日本)
- 概要
- 発表内容
- フォト
ギャラリー
概要
日時
2015年11月24日(火)~11月25日(水)
会場
ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル
昨年11月に続き、2回目となるWINA食品安全会議が11月24日(火) ~25日(水) の2日間にわたって日本の横浜で開催されました。今回の会議では、15の国 / 地域から36社、約90名のWINA会員が出席し、“ACT TOWARD THE VALUE FOOD”をテーマに、インスタントラーメンがジャンクフードではなく“バリューフード”として認識されるための業界全体としてのアクションについて議論が交わされました。
初日の午後には日清食品グループのグローバル食品安全研究所を訪問し、同社の食品安全に対する取り組みを見学しました。また、2日目の会議終了後にはカップヌードルミュージアムへのオプショナルツアーがあり、50名を超えるWINA会員がインスタントラーメンの歴史や地位向上への取り組みについて学びました。
プログラム
1日目
●理事会
●開会式
●基調講演
「インスタントラーメン - 過去、現在、そして未来」
社団法人生命科学振興会理事長
Dr. Shaw Watanabe (渡邊昌)
●日清食品グローバル食品安全研究所 (the WAVE) 見学
2日目
●セッション1
「バリューフードとしてのインスタントラーメン」
日清食品ホールディングス
チーフ・ディベロップメント・オフィサー
Mr. Mitsuru Tanaka (田中充)
●セッション2
「ブランドオーナーとしてのフードディフェンス」
日清食品ホールディングス
チーフ・プロダクション・オフィサー
Mr. Yasuhiro Yamada (山田恭裕)
●セッション3
「食品安全研究所が考える
インスタントラーメンの食品安全管理」
日清食品ホールディングス 食品安全研究所所長,
チーフ・クオリティ・オフィサー
Dr. Toshihiro Yamada (山田敏広)
●セッション4
「食品業界におけるリスクコミュニケーション」
リテラ・ジャパン代表
Dr. Mariko Nishizawa (西澤真理子)
●WINA会長による総括
●クロージング・スピーチ
タイプレジデント 副社長 Dr. Pojjanee Paniangvait
開催報告
理事会
初日の朝に開催された理事会では、安藤WINA会長より「バリューフード憲章」制定の提案がありました。各国の理事会社からは、「“complete meal” や“Nutri-noodle”の定義やメリットをはっきりと打ち出すべき」、「インスタントラーメンの栄養に関するガイドラインを作ってはどうか」、「より科学的・技術的な根拠に基づいた情報を発信していくと良い」といった建設的な意見が出ました。また、WINA食品安全検査サービスの運用について意見交換をしました。
本会議
1日目は安藤WINA会長の開会の辞で始まり、日本の栄養学の第一人者である渡邊昌博士による基調講演の後、日清食品グループのグローバル食品安全研究所を訪問しました。
2日目は栄養食品としてのインスタントラーメンの将来的な可能性や食品安全への取り組み、リスクコミュニケーションをテーマに4つのプレゼンテーションが行われ、活発な議論が交わされました。
WINA会長による総括では「バリューフード憲章」の草案が提案され、承認されました。今後、インスタントラーメンをバリューフードにするべくWINA会員企業が共にバリューフード憲章に基づいた取り組みをおこなっていきます。
日清食品グループグローバル食品安全研究所訪問
1日目の午後には日清食品グループのグローバル食品安全研究所 (通称the WAVE) を訪問し、同社の食品安全への取り組みについて実際に所内を見学しながら説明を受けました。
※肩書は当時のものです
発表内容
基調講演
インスタントラーメン - 過去、現在、そして未来
Dr. Shaw Watanabe (渡邊昌)
社団法人生命科学振興会理事長
世界の30%が肥満とされる現代において、適正なカロリー摂取と栄養バランスのとれた食生活が理想とされていますが、実際には性別や年齢、活動レベルによってそれは異なります。そこで、渡邊先生が提唱されている80kcalを1エネルギー単位としたフードアイコンを用いるとどれくらいカロリー計算が簡単になり、食べて良い量がイメージしやすくなるかご説明いただきました。また、肥満以外の健康問題にも効果がある栄養素や原材料をインスタントラーメンに取り入れていくことで、その国の食文化や健康問題に合致する「完全な一食」となるインスタントラーメンを作ることができると締めくくられました。
セッション1
バリューフードとしてのインスタントラーメン
Mr. Mitsuru Tanaka (田中充)
日清食品ホールディングス
チーフディベロップメントオフィサー
インスタントラーメンは1食で十分なカロリーが摂取できる反面、高めの塩分量やPFCバランス、ビタミン・ミネラル不足といった問題点が指摘されています。その問題点に対する日清食品の取り組みを紹介するとともに、インスタントラーメンが今後バリューフードとして目指すべき方向性について発表されました。
セッション2
ブランドオーナーとしてのフードディフェンス
Mr. Yasuhiro Yamada (山田恭裕)
日清食品ホールディングス
チーフプロダクションオフィサー
日清食品グループの工場内での異物混入防止策を映像で紹介されました。
セッション3
食品安全研究所が考える
インスタントラーメンの食品安全管理
Dr. Toshihiro Yamada (山田敏広)
日清食品ホールディングス
食品安全研究所所長,
チーフクオリティオフィサー
日清食品グループのグローバル食品安全研究所の概要および業務内容、ケーススタディについて発表されました。
セッション4
食品業界におけるリスクコミュニケーション
Dr. Mariko Nishizawa (西澤真理子)
リテラ・ジャパン代表
食品安全に対する関心が高まり、消費者自身や消費者を取り巻く環境も変化している中で、食品業界におけるリスクコミュニケーションとは何か、リスクコミュニケーションを阻む要因などについて解説いただきました。
総括
安藤WINA会長から「バリューフード憲章」の草案が提案され、5つの行動憲章「(1) 完全な一食を追求せよ、(2) 食の健全性をリードせよ、(3) 全工程の安全安心に責任を持て、(4) ステークホルダーとともに生きよ、(5) 時代を拓くイノベータ―であれ」が承認されました。今後、WINA会員企業のインスタントラーメンメーカー共にインスタントラーメンをバリューフードにするべく憲章に基づいた取り組みをおこなっていきます。
クロージング・スピーチ
Dr. Pojjanee Paniangvait
タイプレジデント 副社長
2日間の会議を締め括りに出席者を代表してタイプレジデントフーズのPaniangvait副社長が閉会の辞を述べ、食品の安全確保の重要性を再確認しました。
※肩書は当時のものです